大脳基底核とパーキンソン手術療法

大脳基底核とは

運動や情動など人間のなめらかな動きを調節する部位。人など高次生物は皮質からの情報を調節して皮質を通し脊髄へ投射する。

ç·æ¡ä½å¤§è³åºåºæ ¸ã®æ©è½

 

四つで構成されている

① 線条体・・・尾状核 被殻 腹側線条体からなる

② 淡蒼球・・・内節と外節からなる

③ 視床下核

④ 黒質・・・緻密部と網様部からなる

 

機能

①運動ループ
②眼球運動ループ:眼球運動の制御に働く。
前頭前野背外側ループ:認知情報やワーキングメモリーを有効に活用し、意思の発動や行動計画、注意、社会行動などの発現に関与する。
眼窩前頭皮質外側部ループ:③とともに認知情報の評価、情動や感情の表出、意欲などに関与する。
⑤前帯状回ループ:情動や動機付けに関する重要な刺激に反応して運動を開始する。

 

回路

通常時

アクセルはグルタミン酸、ブレーキはGABA

通常、黒質から投射されたドパミン線条体の直接回路と間接回路に作用する。

直接回路の受容体はD1(Gsたんぱく)間接回路はD2(Giたんぱく)なのでそれぞれ興奮性と抑制性に作用する。

直接路は、淡蒼球内節、黒質網状層からのGABA分泌を抑えて視床を抑制せず皮質へ運動の信号を投射する。

間接路は、ニューロンを抑えてGABAの分泌を抑えることで淡蒼球外節の興奮を抑えられなくする。抑えられなくなった淡蒼球外節からはGABAがたくさん出るので視床下核は抑制され黒質を興奮させることができない。そのため視床を抑制させられず、運動の増加につながる。

 異常時

 

 

 

 黒質緻密層からのドパミン遊離が減少することで、直接回路からの抑制が効かなくなり、視床が抑制されることで運動が低下する。

間接回路では抑制性のGABAが増加することで淡蒼球外節の機能が落ち視床下核の抑制が解かれ、グルタミン酸を多く遊離するため黒質網状層淡蒼球内節を興奮させる。それにより視床が抑制され運動は低下する。

以上のように興奮している部位(視床下核淡蒼球視床)が手術療法のターゲットになる。

手術療法

レボドパ発見される前まではこちらが主流だった。薬物治療開始後は件数激減したがレボドパ服用開始後5年ほどたつと副作用により増量できなくなりまた手術療法が脚光を浴びた。古くには興奮部位の破壊術が取り入れられていたが現在電気刺激により破壊と同じ効果を得られる脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation: DBS)が主流になっている。