パーキンソン病とは

パーキンソン病とは

黒質-線条体ドパミン分泌が低下することによりアセチルコリンとのバランスが崩れることによって起こる病態。また腸管におけるアウエルバッハ神経叢(Auerbach plexas)の変性も病初期から認められており、この病気は全身性疾患であると再認識されはじめている。

生活に支障をきたすことが多く完治は難しいが投薬によりQOLの改善が見込める。

運動症状

無動、振戦、姿勢反射障害、筋固縮。痛みを伴うこともある。

非運動症状

消化器症状・・・吐き気、食欲低下、便秘など

自律神経・・・血圧低下、眩暈、頻尿、

精神症状・・・感覚鈍麻、意欲低下、せん妄、認知機能低下、幻覚

睡眠・・・日中過眠、突発性睡眠、不眠、レストレスレッグス

特に認知機能低下、うつ状態はよく見られ、パーキンソン病であることは認知症リスクを高める。

治療

基本的に完治は見込めない。ドパミンアゴニスト、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬、ドパミン遊離薬など使用し症状を抑制させることが目標。QOLの維持。

オンオフ・・・効きすぎてジスキネジア、効かな過ぎて症状が出る

ウェアリングオフ・・・効果時間がだんだんと短くなってくる

ディレイドオン・・・効果発現までの時間が遅くなってくる

↑DAだと消化器運動が抑制される。長い期間服用続けていると胃内容物の輸送が弱まったりして小腸での吸収が低下したりする。それで薬の効果が出にくくなることがある。

・Lドパ製剤

ドパミン製剤の発見によりパーキンソン病の治療は大きく変わったそう。Lドパの形で血液脳関門を通過できるがドパ脱炭酸酵素により体内でドパミン代謝されると通過できない。運動機能症状の改善効果が高いが半減期が短い。そのためオンオフ症状やウェアリングオフ症状が出やすい。消化器SEが顕著。

吸収促進因子

胃酸環境食前空腹時

ドンペリドン、モサプリドの併用

吸収阻害因子

ppi h2ブロッカー 酸化マグネシウムなど

・Lドパ/DCI阻害薬配合錠(ネオドパストン、マドパー)

ドパ脱炭酸酵素を阻害することで脳内移行性を高めた製剤。Lドパの使用量を80%くらい削減できた。そのため消化器Seも激減。5年くらい使用するとウェアリングオフでてきやすい。海外ではCR錠あるらしい。

チロシン→ドパ→ドパミンノルアドレナリン→アドレナリン

・Lドパ/DCI阻害薬/COMT阻害薬配合錠(スタレボ)

MAO-B阻害下においてドパの代謝経路はCOMTに限定される。COMTによるドパ代謝物は3-O-methyldopaと呼ばれ半減期16時間と長い。この代謝物は血液脳関門においてLdopaと競合するためCOMT阻害配合薬が開発された。ドパとエンタカポンの半減期は一緒。

・Lドパ+カルビドパ空腸投与用製剤(デュオドーパ)

Lドパの弱点である半減期の短さからくる症状の日ない変動を抑えるための製剤。胃ろうをあけてそこから持続的16時間投与される。デバイスも小さく携帯可能

【レボドパとビタミンB6の併用】
・レボドパ単独だとビタミンB6併用で作用が減弱する

⇒脱炭酸酵素阻害薬を併用すれば問題ない

⇒マドパー、メネシットなどはビタミンB6と併用できる

ドパミンアゴニスト

ドパミン受容体刺激薬とも呼ばれる。などがある。レボドパ製剤と比較してウェアリングオフやジスキネジアを起こしにくいことから、認知症を伴わない70歳未満の患者については、レボドパではなくこちらを第一選択とすることが推奨されている。幻覚(幻視が主である)などの精神症状が強く出やすいため、認知障害のある患者では投与を避ける。

また麦角系ドパミンアゴニストでは重篤な副作用(心臓弁膜症や間質性肺炎など)を起こすことがわかり、新たに投与を開始する場合はまず非麦角系薬を選択し、治療効果が不充分であったり忍容性に問題があるときのみ麦角系薬を使用することになっている。ただし、非麦角系薬にも突発的睡眠などの副作用がある。また、急に内服を中止すると悪性症候群などの重篤な副作用を引き起こすことがある

・MAOB阻害薬(エフピー/アジレクト/エクフィナ)

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いずれの薬剤もプラセボと比較し有効である。エフピーが一番強いらしい。

エクフィナにはグルタミン酸遊離抑制作用もあり、可逆的な阻害

エフピーからの切り替えの時は休薬必要!14日!!!!

エフピーだけ覚せい剤原料→返品できない。

・アマンタジン(シンメトレル

もともとA型インフルエンザ薬として開発。ドパミン遊離を促進する作用があるから使われている。またグルタミン酸NMDA受容体阻害作用によるものと思われる。運動症状の改善は見られないが、ジスキネジアの予防に効果がある

・イストラデフィリン(ノウリアスト)

新機序をもつ薬。まだ単独療法における盲検試験がないがドパ併用で効果がある。またドパミン依存性じゃないので消化器Seなど起きない。機序はアデノシンA2受容体拮抗作用。A2はGsたんぱく質依存性の受容体で刺激により神経が興奮するため、抑制のためにGABAが分泌されそれが運動障害につながっていると考えられている。

・ゾニサミド(トレリーフ

てんかん薬としても使用されるが、パーキンソン病にも適応あり。作用機序は解明されていないが、MAO-B阻害作用とT型Caチャネル阻害作用が有名。Caチャネル阻害してるから振戦とか抑えられてる説あり。

てんかん薬としてエクセグランは販売されているが値段がダンチ。

  エクセグラン錠100 レリーフOD錠50mg
薬価 25.40円/T 1449.10円/T
同用量差 25.40円 2898.2円

 同じ要領だと10倍くらい差がある。たっか。

 

 

www.neurology-jp.org