アモキシシリンの禁忌

伝染性単核球症患者に対して禁忌

伝染性単核球症とは

 ・原因

HPVの一種であるEBウイルスによる感染症。多くの人間が幼少期に体内に侵入され、抗体ができているため成人後発症することは少ない。また幼少期に発症しても重症化することは少ないが、成人後発症すると重篤な合併症を引き起こすこともある。

・症状

ウイルス感染してから4週間以上の潜伏期間を経てから症状が現れる。1~2歳の乳幼児が発症しても微熱や扁桃腺の腫れなど症状は軽いが、学童期以降に発症すると重症化しやすい。主な症状は高熱や全身の倦怠感・疲労感、喉の腫れ・痛み、全身のリンパ節の腫れと肥大、発疹など。発熱や喉の痛みなどの症状は1~2週間続き、倦怠感は数週間から数ヵ月にわたって長期間続くケースも。肝臓や脾臓が肥大化しやすくなり、悪化すると破裂することがあるので注意が必要。また、重症化すると気道閉塞や球肺炎、リンパ腫、貪食症候群、無菌性髄膜炎、ギランバレー症候群、心筋炎などさまざまな合併症を併発することがある。

・治療

特異的な治療方法は存在しない。アンピシリン、アモキシシリン等アミノペニシリン系薬剤の投与は発疹SE発現頻度を高める恐れがあるため禁忌である。

余談

ペニシリンアレルギーは有名なアレルギーであるため、結構多くの人が自分に合わない薬だと思ってたりする。アミノペニシリンであれば伝染性単核球症の既往があるかどうか確かめるべき。純粋に過敏症があったのか、EBウイルスによるものかわからない。

また、ペニシリンアレルギーで投与を中止すべきは、蕁麻疹、呼吸困難、ショック等あきらかにアナフィラキシー症状を呈している経験がある者。消化器症状やかゆみのない発疹であればやめるべきではない。

実際一型アレルギーとして発症しているのは全体の5%未満だそうで、免疫は時間をかけると寛容になるため昔あってもいまは大丈夫って人もいる。