統合失調症の治療

 

治療の必要性

多くが若年期に罹患しその後、再発と緩解を繰り返し慢性的に進行していく。社会的機能の低下を防ぐためにも早期からの治療が必要。

治療方針

 抗精神病薬による薬物治療が中心。

薬物療法

適応:急性期、増悪期、薬物療法に抵抗性あるとき。

効果:寛解率は高い。しかし効果は長く続かず、再発率も高いため薬物療法を併用する必要ある。

薬物療法

再発防止のため1年間は服用が必要。基本単剤から初めて2~4週間は様子を見る。8週経過しても効果観られない場合に変更、増量を考慮。2種類以上の薬剤をクロルプロマジン換算で600mg/day以上4週間以上投与しても効果観られない場合、治療抵抗性と判断し、クロザリルの使用を考慮する。クロザリルは本邦における最後の薬。

 

定型抗精神病薬

ドパミンD2受容体社団作用が強く陽性症状によく効き、効果は非定型よりも強い。

その分錐体外路症状の副作用が強く、服薬維持ができないこともある。

フェノチアジン系抗精神病薬(定型抗精神病薬)
クロルプロマジン塩酸塩(ウインタミンコントミン)
クロルプロマジン塩酸塩・プロメタジン塩酸塩・フェノバルビタール配合(ベゲタミン-A、ベゲタミン-B)
レボメプロマジン(ヒルナミンレボトミン)
フルフェナジン(フルメジン、フルデカシン)
ペルフェナジン(ピーゼットシ一、トリラホン)
プロクロルペラジン(ノバミン)
トリフロペラジンマレイン酸塩(トリフロペラジン)
プロペリシアジン(ニューレプチル)
ブチロフェノン系抗精神病薬(定型抗精神病薬)
ハロペリドール(セレネース)
ハロペリドールデカン酸エステル(ハロマンス、ネオペリドール)
ブロムペリドール(インプロメン)
ピパンペロン塩酸塩(プロピタン)
スピペロン(スピロピタン)
モペロン塩酸塩(ルバトレン)
チミペロン(トロペロン)

 

定型抗精神病薬

ドパミンD2受容体だけでなく、セロトニン5HT2受容体も遮断することから陰性症状にも効果がある。またセロトニン受容体に作用しているため、錐体外路障害の発生抑制効果もあり、通常用量においてはEPSはあまり発現しない。その反面、代謝系副作用もあり、定期的な血液検査が必要。